結局、手に入れられなかった。 でも、これでいい。 彼女の安全が確実になったのだから。 奇妙なことにあの二人の言葉を信じていた。 大金が絡んでいるからか。 半分つながっている血の感覚か。 もちろん監視を怠るつもりは毛頭ないが。 結局、手に入らなかったが、それでいいだろう? 彼女の日々が守られるなら。 それが、出会った時からの変わらぬ望みだろう? 怜士はシートに頭を預けると、目を閉じた。