あのパーティーで久々に再会して。 一目見た途端、冷静さを欠いて自分を見失った。 無謀な行動だったのに。 道理で、ビジネスの場で“若造”と罵倒されることがあるわけだ。 とっくに自分中の若さなど枯渇したと思っていたが。 怜士はしばらく握りしめていた拳を開くと、携帯を手に取った。 「宮内?」 久々に苗字で呼ばれて、麗華はしばし返事が遅れた。 「今泉?」 結局、名前で呼んでくれたのはあの時だけか。 怜士は苦笑した。