「彼女の身の安全の」 「彼女?」 あがいても無駄だとは思ったものの、聞き返す。 「宮内麗華の」 「意味がわからない」 そう言いながらも立ち去れないことに答えは出ているのだろう。 クリストファーは薄く口元で笑った。 「僕たちが、彼女に危害を加えることは無いでしょう」 クリストファーは続けた。 「そして金づるを失わないように、これから現れる敵からも」 それはつまり、だ。 ここでNoといえば、その反対ということか。