「こんな立場が欲しかったら、熨斗をつけて、喜んでやる」


 ゴットフリートは肩をすくめた。


「いらないね。
 そんなわずらわしいもの。
 おれたちが欲しいのは、財産だけ。
 当然にもらえる分は、もらっておきたい」
「当然?」


怜士は皮肉を込め、片眉をあげた。


「もはや残っている兄弟はこの3人だけだ。
 等分と行こうじゃないか」
「笑わせるな」
「欲張りはしないよ」


怜士は鼻先で笑った。