「どういうこと?」 今度は麗華が顔をひきしめた。 「なんでもない」 「麗華」 ぴりっとした呼び方に麗華は足を止めた。 「たいしたことじゃないんだけど。 ちょうど、ある旧家のお嬢さんが駆け落ちしちゃって、騒ぎになっているから」 「へえ」 予想と違うのに気が抜けた返事になる。 てっきり麗華にお見合い話が進んでいるのかと思った。 確か、再会した当時、調査した時には話が上がっていたはずだ。 抵抗勢力になったら、潰すだけと大して気にしていなかったが。