「今泉」 「ん? 今泉じゃないけど」 「髪の毛から手を離してくれる?」 ずっと怜士が髪の毛に指を絡めたり、梳いたりしているのに、気になってしょうがない。 「残念」 怜士は指をひっこめると上体を起こしてベットから降りた。 「さて、殴られに行くか」 「は?」 「あなたのお父様に」 「なぜ?」 「大事なお嬢さんを傷物にしたから」 麗華は枕を引っ掴むと、後ろからその頭めがけて力いっぱい投げつけた。 その威力に、前のめりになりながらも笑っている。