*


両親が、麗華だけを海外に行かせる気は毛頭ないらしく、久々にNYのミュージカルを観たくなった母親が、同伴となった。


そしてそこからハーバードまでは、在米外交官の息子が付き添ってくれることになった。


「よ、久しぶり!」
「久しぶり~」


麗華と外交官の息子である鷹乃介はハイタッチをした。


小さい頃に何度か遊んだことがある上に、鷹乃介もモデルの仕事をやっていて、一緒に撮影したこともある。


「相変わらず綺麗だね」
「ありがと。
 鷹乃介もイケメンだよ」
「だろ?」


ポージングをしてみせる。


麗華は笑って流した。