「なんで今泉が私と結婚したいのか意味不明」 「好きだからでしょ。 ってか、今泉じゃないから」 麗華はぎっとにらみつけた。 「タイプじゃないって言ってたじゃない。 嘘が見え見え」 怜士はグラスに口をつけたまま動きを止めて、視線を合わせる。 「言ったことなんてないと思うけど」 「え? えーと」 確かに言われたことはないかも。 「だけど、金髪碧眼しか相手にしないって有名じゃない。 とにかく全然、真実味ありません」 麗華は指輪を抜くと、怜士の方に押し返した。