はめられた指輪は照明の光で燦然と輝いている。 大きすぎてフェイクのようだ。 「宮内麗華さん、結婚してくれませんか?」 いつも通りの静かな微笑。 他人事のようだ。 「ええと。 これも冗談だよね?」 「いや、本気」 おかしそうに怜士の口の片端が笑った。 沈黙がただよう。 「冗談だよね?」 もう一度確認する。 怜士はワインを飲みながら肩をすくめた。