「これ」 紺色のレザーで出来た箱。 「なに?」 「どうぞ」 怜士は身振りで手に取るように促した。 ふたを開けて、中に入っているものを麗華はしばらく凝視した。 ふたの裏には宝石商の名前がプリントしてある。 その店のこの大きさの石となると、麗華の家でも数えられるほどだ。 「ええと?」 「この間、物をあげたかったけど、じっくり選びたいからって言ったでしょ」 仕事で伝達したことを忘れたように、たしなめられる。