「ストップ!」 麗華は自分の髪の毛をつかんで、むんずと引っ張りかえした。 「悪いけど、私、そういうの苦手なのっ」 「知ってる」 くつくつと笑い出した。 「からかってるね、怜士さん」 「声、低いよ。 麗華さん」 「わ」 「わ?」 「私、帰る」 ドアレバーに手をかけたら、ウェストに手が回って引き戻された。 「悪かった」 後ろから耳元でささやかれて、背筋にぴりっと感触が走る。