怜士へ倒れこみ、くちびるが合っていた。 身を離そうとしたが、怜士の片腕がしっかりと背に回っている。 力を込めて押し返してもびくともしない。 余裕でキスを進めていく。 ダメだ、また、溺れる。 麗華は目をぎゅっと閉じて、体を固めると、怜士は腕を緩めた。 チャンスとばかりに身をのけぞらせる。 「香水つけてないから!」 とっさに思わず大声で返すと、怜士は表情を止めてから、にやっと笑った。 「そう? いい匂いするけど」 指を伸ばして麗華の髪に絡めると、身をかがめて髪の毛にくちづけしている。