「それ、逃げる常套句だから。
 今日か明日か、どっちか決めて」


逃げているのがわかるなら、違う人を当たれよ。


麗華は胸の中で毒づく。


「ああ、そうだ。
 大事な話があるんだよね」


怜士は思い出したかのように付け足した。


「大事な話?
 なに?」
「夕食の時にね。
 じゃあ、今夜6時に迎えに行く」


電話が切れた。


迎えって?


これから出かけるんだけど。