「都合のいい日でいい。
 ああ、でも、近い内が嬉しいな。
 今日か、明日か」
「それって、都合を聞いてなくない?」


思わず地で返してしまうと、怜士の笑い声が電話越しに耳をくすぐる。


この低音はぞくぞくする。


麗華はぱたぱたと手をあおいだ。


「そもそも私に日本の状況を聞いたってしょうがないでしょ。
 もっと、まともな話ができる人にしたら。
 兄でも紹介しようか?」
「ああ、そこまで求めないから」