でもこの数字の羅列はおかしい。
無視していると、切れて今度は固定電話番号が点滅した。
でも知らない番号。
留守電を起動すると、忘れられない声がした。
留守電を解除する。
「もしもし?」
「ああ、悪い。
忙しいみたいで」
怜士が声の質を和らげた。
「大丈夫」
高等部の時、ただ1年間だけ同じクラスだった同級生。
NYから帰ってから、自分に言い聞かせているフレーズを、もう一度胸の中で繰り返す。
そうだとしたら、もうちょっと他人行儀に愛想よく振る舞うだろう。
別れた彼氏を相手にしているかのように、ぶっきらぼうすぎる。

