* 「お久しぶりね」 聞き覚えのある嫌な声に、怜士はカフスをはめながら、窓ガラスに映っている姿の方へ視線をやった。 アイーシャの後ろで、困っているニコラスの姿が映っている。 「まだ生きてたか」 「ご挨拶ね」 「なんの用だ」 アイーシャの姿で十分予測はできたが、一応聞く。 「同じパーティでしょ? エスコートして」 「相変わらずだな」 高飛車に言われて、思わず鼻先で笑った。