「一年、日本に行かせてください」


血縁的父と瞳をひたりと合わせた。


「バカか?」
「ええ、まあ」


怜士は口の端で笑う。


しばらく男は指で肘おきをタッピングしていた。


「まあ、おまえは私に良く似ている」


そう言って、あの冷笑をした。


パーティーなどで、怜士とゴシップ相手の本当の仲を聞かれた時、返す冷笑。


聞いた相手か、こっちに対しての冷笑かと思っていたのだが。


違う。


誰に対してだ?