「あれ、どうした?」
「は?」
「昔、あげた靴のチョコ」
同じことを思い出していたらしい。
「食べたよ」
「ああ、そう」
ガラスの靴は無くなってしまった。
無いのだ。
だけど。
「生きていて、良かった」
思わず、ぽつりと呟いた。
怜士の足が止まる。
衝動的に麗華の腰を引き寄せ、くちびるを合わせようとした。
麗華は反対に一歩身を引いた。
シンデレラのワルツは、ウッドブロックが魔法が解けるカウントダウンを告げ始めていた。
ぴたりと視線を合わせる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…