「…いってきます」 誰もいない家にそう告げた。 「…っ、まぶし…」 扉を開けた瞬間私を上から照らす太陽。 春休みが終わって、今日から学校が始まる。 私は進級して、高校2年生になった。 ―私、君島 紗央莉 どこにでもいる普通の高校生。 クラスで目立つこともないし、ある程度の人間関係も築いているつもり。 人との付き合いはうまいほうだと思う。