夢の中で慶介は彼女と空を飛ぶ夢を見た。

東京スカイツリー展望から眺める絶景と

そこから飛び立って東京の街を飛ぶ景色は最高だった。


大好きな彼女と何の障害もなく自由に飛べる、

自分たちはまるで映画のワンシーンを体験しているかのようだった。


急に自分たちの上を飛行機が通過し、轟音と共に慶介ははっと目が覚めた。

「夢か…」


慶介はがっかりしたが、夢でないような感覚と彼女の温もりのある手が自分の右手に残っ
ているような感じがした。

夢であって夢でないような気がした。

心満たされる気持ちでとても満足していた。

また一つ自分の願いが叶ったと喜び、メガネを取ってみた。


しかしその時慶介は異変に気付いた。

メガネの縁は初め虹色だったが、いつしか色は赤色しかなかった。

「なんでだろ?」

願いが叶う事にメガネの色が少し変化している事は知っていたが、そんなには気にしな
かった。


だが今回の願いが叶って、色は一色しかなくなり、その大きな変化にとまどった。