体育館の裏は人気が少なく、風がいい感じで吹いていた。

中からは部活活動をしている生徒の威勢のいい声が聞こえてくる。みんな一生懸命に練習
に励んでいる。

少し経って伊集院がユニフォーム姿で歩いてきた。

身長が高く、スラッとしている体系にユニフォーム姿も似合っていた。

「ごめん、遅くなって。」

伊集院はそう言って、すまなそうな顔をした。こういう意外と純粋な所も好きだ。

「話って何なの?」

慶介は少しモジモジした。なんて切り出していいかわからない。

とりあえずメガネをかけてイメージをしないといけなかった。

「ちょっとメガネかけるから待ってて!」

慶介は後ろを向き、あわててメガネをかけた。

「メガネ?なんでまたこんな時に…」伊集院は不思議そうな顔をする。

慶介はゆっくりと目を閉じ、頭に成功するイメージをして、目を開いた。


そこには自分が伊集院に告白をして、彼女が照れる顔が鮮明に映った。

「どうしたの?用がないなら行くよ。」

「ちょっと待って!!君に言いたい事があるんだ。」


慶介はメガネをかけたまま真顔で言った。