友花side


「キャンプに着ていく服、ないんだったらこれで買ってきな」

お母さんが、そう言って私にお小遣いを渡してくれた。

せっかくなので楓ちゃんを誘って、電車に乗って駅前まで来た。


「うわぁ~!すごーい♪わっ、あのお店オシャレ!入ってみよ♪」


楓ちゃんは普段からテンションが高い。


今はオシャレなお店の中にいるので一層テンションが高い。


「あっねえねえねえ!友これ似合うんじゃない?ほら!」

楓ちゃんが一着の服を私の前に差し出した。
それは、鮮やかなデニム生地のサロペットだった。

「かわいい!!これいいなぁ!楓ちゃん、試着してきていい?」

「気に入ってもらえて嬉しー!行ってきていーよ!ここら辺にいるね!」


なんだろう。差し出された瞬間に、ピン!きた。

これなら動きやすいし、とてもお洒落。
それに、雰囲気もなんだかアウトドアって感じ。

そんなことを考えながら、着ていたTシャツの上から試着してみると…

「ぴったり!!」

すごい。まるで私のために作られたかのようにぴったりだった。

私の声を聞いて来たのか、楓ちゃんが試着室のドアの前で何か言っている。


とても着心地が良くてこのまま着て帰りたいけど、そういう訳にもいかないので元の服装に着替え、試着室を出る。

「ねぇ!どーだった!?」

「うん、ジャストフィット!これすごく気に入った!楓ちゃん、教えてくれてありがとね!」

「ほんとー!?良かった。他の色もあったけどどうする?」

「この色がいい!」