友花side


楓ちゃんが来ていないか、下駄箱を見に行く。あの子、恥ずかしがり屋だからな~。来たはいいけど、教室に入れないってこともありそうだし。

…やっぱ来てないか。


いやー、光太くんを追いつめるのは楽しかった。
ともはなと打って変換しようとしていたのにはイラッときたけど、私もこれからのメールの時はヒカリ~タって呼ぶことにしたし、これで一件落着。かな。

でも、本人が引き起こした誤解はまだ解かれていない。
いや、解こうと思うのだけど、楓ちゃんが来ないと始まらない。

私はさっきまでイジめていたけれど、今度はイジめられる側になりそうだ。


そんなことを思っていると、クラスメイトの類くんが歩いてきた。

ただし、女の子も一緒に。

誰だろう、あの子。妹かな?
いや、妹をこんな時間に連れてくる訳がない。

じゃあ…彼女?
彼女ならあり得る。女の子はずっと俯いているけれど、類くんは楽しそうに話しかけているし…。

いいなあ恋人同士って。私も早く彼氏つくらないと!