これ、本当に光太くんからなの?
もしかしたら早とちりかもしれない。そんな願いを込めて、もう一度読んでみる。
暗号みたいでよく分からないけど…。

…あ!その前に、光太くんは携帯を持っていなかった!
それに、買ってもらったとしても私のアドレスなど知っている訳がない!

だからこれは、迷惑メール。

そんなことを思っていると…

「♪~♪~♪♪~」

軽やかな着信音と共に、手の中で携帯がブルブル震えている。
まるで、私とメールの送り主の、対極的な今の心境を表しているみたい。

…楓ちゃんと顔を見合わせる。

それから、恐る恐る携帯の電源を入れて、ゆっくりと新着メールを開く。

「さっきは意味不明なメール送ってごめん。メモ機能のとこでれんしょうしてたらうまくなづたよ!
光太」

さっきと同じアドレスからだ。
光太。ということは…

「なんなの!なんでっ!!2人で内緒でメールしてたんでしょ!!携帯持ってないあたしをのけ者にして!!最低!!」

私の頭の整理がついたとたん、楓ちゃんが叫びだした。