「夜なんてどうですかね〜?ほら、学校脇の崖から飛び降りてみませんか〜?ロイズがやったやつの逆バージョンです」

人に見られたら、自殺と勘違いされそうだな…

そんな話を世間話のようにしながら、先生と用務員室に向かうと、部屋にいたのは高田さんだけだった。

「…ハル、来ましたか?」

玄関先でそう聞くと、高田さんは、いいえと答えた。

「…何かメモ書きのような物は、ありませんでしたか?」

「いいえ、私が書き置きした物以外は、特に…」

と言って、高田さんはズボンのポケットから小さなメモ用紙を取り出すと、見せてくれた。

「…ちょっと、迎えに行って来ます」

「え?」

高田さんにメモを返して下駄箱をチェックすると、思った通りハルのスニーカーが入っていた。

家のしつけが良すぎるのも問題かもと思いながら、自分はクツを脱いで部屋に上がると、台所に向かった。

「ええ?!生島君のメッセージが、こんな所に!」

高田さんが驚いて、メモの端に書かれたハルのメッセージを、先生に見せた。