「…はぁ…あ、落ちた…」

「はい…」

「あ、どうも深谷君…」

手渡された線香花火に、ろうそくで火をつけると、パチパチとはじける花火を見つめた。

「はぁ…盛り上がってる〜?ハル君」

山形さんの手が自分の肩に回された時、ちょうど線香花火の玉が砂の上に落ちて、二人して見つめてしまった。

「山形さんもやります?線香花火」

「ん〜?やめとく…ムード出過ぎ〜」

気の抜けた声で、山形さんは隣に座り込んだ。

深谷君を見ると、しゃがんで静かに棒付きの花火をしている…

山のように積まれた花火セットの花火を、黙々と消費していく姿がけなげだ…



時は夕日が海に沈み、裏の山から月が浮かび始める頃…

場所は学校近くの砂浜…

メンバーは宝探しメンバーだ。

「…皆さん、打ち上げ花火に火がつきましたよ」

高田さんが嬉しそうに、オレ達に声をかけてくれた。

その後ろから、ゆっくりと修子ちゃんが歩いて来る…

今は長い髪を下ろしていて、Tシャツにジーンズ、その上に白衣…って、どんだけ白衣好きなのかなぁと、突っ込みたくなる…

まぁ、似合うからいいんだけど…