ちなみに先輩の隣にはふわふわした栗色の髪の毛を左右で括っている、可愛



らしい女子の先輩。



存在感、というかなんというか。



この二人を見ているとオーラがすごい。



回りとは明らかに違う。纏った雰囲気から、小さな動作一つ一つまでが。



彼女は先輩の助手、とでも言おうか。



…いや、違うのだけれど。




正しくは副会長の志貴奈々美(しきななみ)先輩。



彼女もまた玲先輩と同じく、美容系の会社を営んでいる親をお持ちだ。



いわゆる社長令嬢。



玲先輩にはきっとこういう人がお似合いなんだろうな、と思う。



社会的地位も、暮らしも、似通ったこの二人なら共有できることも多いだろ


う。



対して私は、生まれ育った環境からして別世界の住人だ。



私だってできることならお金持ちに生まれたかった、とは言うべきではない



のだろうが。



そんなどうしようもない格差をまざまざと見せつけられながら、目の前にし



た二人の話を聞いていた。