詐欺師の恋

「大体、カレ何しに花音の家に来たかわかるの?」




憲子のぱっちりとした目が、私に向けられる。



そういえば、ちゃんと訊かなかった。




「遊びに来たのかな」




「花音…あんた、馬鹿は馬鹿でも重症よ。」




「ひど!どうしてそんなこというのよ!」




「うるさい。今日が何日か、あんたわかってる?」




どうしてそんな当たり前の事を訊くのだろう。




「憲子も私のこと馬鹿にしてるのね!26日よ。決まってるじゃない」





「…そう、わかってるのね…じゃ、カレが家に来た日にちは?」




ええっと、土曜日だから。




「24日?」




「まだ、わかんない?」





…………


……



あーーーー!!!!






「く、く、クリスマ…」





「はい、ご愁傷様」




憲子が、漸くスプーンをドリアに突っ込んだ。



反対に、私の手からは力が抜ける。







すっかり、忘れてた…。




そっか、もしかして。いやもしかしなくても。




中堀さんは、その為に来てくれたのか…?