詐欺師の恋

「えー、では、改めまして、それぞれのご紹介をさせていただきます。」




中堀さんが、私と向かい合わせに座った所で、錦さんが軽い咳払いと共に、口を開く。





「まず、こちらが舟木馨さん。舟木医院の院長をなさっておられます。」






中堀さんが小さく会釈し、錦さんの手が、今度は私の方へ来る。





「そして、こちらが、櫻田花音さんです。今はカスカコーポレーションにお勤めでいらっしゃいます。」






心臓が、口から出そう。



会釈するなんて、余裕どこにもない。



完全なる挙動不審。




錦さんは冷や冷やしているに違いないけど。



私は私で、冷や冷やしている。





「それでは、本人同士で、自己紹介など、軽く交わしていただけますでしょうか。」





え?!



放り投げ?!




お見合い初体験の私は、どういう段取りなのかが全くわからない。


何これ。自己紹介って何言うの?!




どうしよう。



ジェットコースターに乗ってるみたいだ。