詐欺師の恋

噂では、私が保身の為に、中堀さんを兄だと言って、嘘を吐いた説が有力になっていた。


中堀さんから直接言われた椿井は、噂などに左右されずに、今でも中堀さんは私の兄だと信じている。


泉川は疑ってはいるが、コレと言った証拠は持って居そうにないし、何より藤代くんとの接触はほとんどない。


じゃ、どうして。どのルートで、藤代くんはそれを知ったのか。



その疑問はうやむやになったまま。


噂の出所は、ずっと飯山だと決めてかかっていたから。



今の今まで、わからなかった。


気付かなかった。




中堀さんが面と向かって、兄だと言い張った人物が、もう一人、居たことに。






「宏章から、、聞いたの?」





元彼の佐久間宏章は、私を利用して捨てた後に、復縁を迫った。


けれど、それを拒んだ時、ちょうど居合わせた中堀さんが、彼を蹴飛ばしたのだ。



その時に、私のことを『妹』と呼んだ。




それから後になって、もう一度迫った宏章に、私はきっぱり断った。



彼が快く思わなかったのは、想像に難くない。




そして、宏章は飯山と交友関係があり、藤代や私にとっては、先輩だ。


「だから、知ってたの?」