家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


「ありがとうございました。では」



そう言って、立ち上がった。

体も温まったし、そろそろ帰るか。

家出しても、自立出来ないことがわかった。

……いや、元々わかってた。

だから、潔く帰って、怒られよう。

「心配かけて、ごめんなさい」って、謝ろう。

見知らぬ人にも助けてもらったし。

もし、声をかけてくれた人が、誘拐犯とかだったら今頃のアタシはどうなっていたかわからない。

考えると怖い。

アタシを短い家出は、これで終わりだ。

優しいイケメン高校生にもう一度頭を下げて、家の方に歩き出す。


「え?! 帰るとこあるの?」


突然、大きな声で聞いてきた。

近所の人に迷惑だろってぐらいの大きな声。

それにこの人、アタシを家なし子と思ってた?!


「あります……けど?」


「あ、そうなの?! 俺 勘違いしてた!」

 
優しいイケメン男子は、子供みたいに笑顔で手をポンッと、叩いた。

そんな姿でも絵になるイケメン。

……やっぱりどこかで見たことが……。

アタシと同じくらいと思ってたけど、本当は、もう少し下、なのかな?