家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


雨の中声をかけてくれた人は、暖かいものを買ってきてくれるそうで、声が少し低かったから、高校生ぐらいのの男子って感じかな?

とても助かる。

お金がないから、飲み物も買えなかったし……


「ハァ……ハァ……はい、カフェオレ」


少しすると、目の前に茶色の缶が現れた。

高校生男子をみると、走って買ってきてくれたのか、息が切れてる。

なんて優しい人だ。


「ありがとうございます」


アタシは優しい男の子が買ってきてくれた缶の蓋をガチガチに固まった手で開け、喉に流し込んだ。


「ふはぁ~温まる」


カフェオレを一口飲んで、一息つく。

それを優しい男の子が──

ジロジロ見てる……。

なんかアタシ、マズい事したか?!


「あの……」


ダメだ。

この人意識がどっか飛んでる。

再度、大きな声を出す。


「あの!」


できるだけ、近所迷惑にならないくらいの声を出した。


「……ほえっ?!」


「ほえっ?!」って!

なに「ほえっ?!」って!!

かわいいじゃんか、コノヤロー。