それから数週間たったある日。

アタシはすっかりwishにお世話になって、三人とも結構打ち解けてきた。

お互いのことも呼び捨てで呼べるようにまで。

そんな頃────


「大変です!これが事務所に!」


朝一で飛び込んできた多田さん。

普段はインターホンをしっかり鳴らすのに、ドアが開いていることを確認すると、靴も揃えず、挨拶もなしで。

鍵……ランニングから帰ってきた嶺が閉めてなかったのか。

それはともかく。

すごい焦った様子。

ていうか、汗ダラダラで、額に前髪がくっついてる。


「どーしたのー?多田ちゃん」


どうってこと無いように嶺が聞く。

多田さんが黒のビジネスバッグから乱暴に取り出される。

リビングの机に一枚のA4のコピー用紙が置かれた。

三人とアタシが机を囲む。

その紙もぐしゃぐしゃだ。

それに写っていたのは────