……嫺君も、流石アイドルだ。
カメラの前に立つと、大量の色気が溢れ出てる。
その目線はカメラに向けられてるのに、アタシの鼓動は段々とスピードを速めてく。
ほら、女性スタッフも嫺君に見惚れて、仕事の手が止まってる。
「はい、ありがとうございましたー!次、華幡さんなので、すいません、呼んできてくれませんか?」
「はい、わかりました」
落ち着いた返事をした嫺君は、さっきまでの殺人級な色気はどこへ行ったのか、好青年に戻っていた。
「最後にグループで撮影するので、青峰さんも呼んで来てください」
スタッフさんがそういうと、爽やかな笑顔でスタジオを出て行った。
その足取りは、若干スキップしてて……
……か、可愛い。
「嫺君は撮影で三人での撮影が一番好きらしいんですよ。『三人で撮ると俺の中の一番いい表情が撮れる』って、前言ってましたから」
隣で嫺君の後ろ姿を見送っていた多田さんが顔をほころばせ──
いや、にやにやって言っていいか。
そんな顔をしながら、アタシに説明してくれた。
嫺君、二人のこと大好きなんだね。
また一つ、アタシがファンになったときだった。


