「失礼しまーす」
小声で言って、ちらっとスタジオの中を覗いてみる。
シャッター音がパシャパシャ聞こえて、中に「嶺君いいよ~」という声が聞こえてきた。
よかった、ちゃんと元の場所に戻れた。
そんな安心して溜め息をついてるのは一瞬で。
う、わ………………
これが。
これが、トップアイドル…………
シャッター音がなる度に表情が変わっていく嶺君。
嶺君がみんなの視線を奪う。
なんて、かっこいいのだろう。
「篠原さん!どこ行ってたんですか〜」
多田さんが泣きそうな──いや、既に涙目になりながら走ってきた。
何事ですか、一体。
「多田さん、どしたんですか?」
「『多田さん、どしたんですか?』じゃないですよ!どこ行ったのか心配したじゃないですか!」
心配、かけちゃったのか。
「すいません……」
「あ、いや、その。僕も関係者カード渡してなかったんで……すいません」
「アタシこそ、すいません……」
「いえ、僕が……」
なんて、謝り合いっこをしてると、
「多田ちゃんも篠原も何やってんの?」
苦笑しながら、衣装も髪型もばっちり決めた嫺君が現れた。
こういう姿を見ると、自然と顔が火照るのはしょうがないよね。
今、顔が熱くなってる。
どんどん体温上昇中です、はい。


