家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


「着きましたよー」


車から降りて建物を見上げると、とてつもなく高いビルが聳(ソビ)えていた。


「すご……」


思わず声が漏れる。


「ファンのみなさま!言葉は一人一言、プレゼントはこの紙袋に入れて下さい!」


多田さんと数人のスタッフがファンの人たちに呼びかけてる。

アタシは、なにもしなくていいのかな……


「三人は、スタジオに行ってて下さい!」


多田さん、それはマネージャーとしてそれでいいの……?!

スタッフさんに任せて……

……スタッフさん?

そうだ!


「多田さん!アタシ手伝います!」


精一杯大きな声を出すと、多田さんは振り返り、手招きをした。


「プレゼントをこの紙袋に入れてって言うのをひたすら呼びかけて!」


「はい!」


「じゃ、ごめんね、よろしく!」


アタシに大きめの紙袋を渡して、慌ただしそうに三人のあとを追いかける。

接客のバイトしてたから、受け答えには自信がある。

……よし、アタシも頑張ろう!


「wishへのプレゼントや手紙はこの紙袋に入れて下さーい」


スタッフさんと協力をし、なんとか全員分、紙袋の中に納めた。

呼びかけるだけかと思ってたアタシが馬鹿だった。

ファンの子に揉まれたり押されたりで意外と疲れた。