「えーっと、今日は十一時から雑誌の撮影、その休憩中に雑誌のインタビュー、その後、個々の仕事です」
車を運転士ながら、wishの仕事内容をスラスラと言う多田さん。
ちょっと失礼だけど、おっちょこちょいな人だと思ってたから、びっくりしてる。
すると、隣に座っていた嶺君が、
「今、『意外~』って思っただろ」
と、アタシの気持ちを読んだみたいに笑ってきた。
「だろ?」
そのニヤニヤ、少しだけムカつきます……
格好いいけどさ。
図星だけどさ。
「ん?」
「そうですけど……」
「やっぱりー!ねー、多田ちゃん!篠原ちゃんが多田ちゃんのこと、おっちょこちょいのドジなだけのマネージャーって思ってたって!!」
大きな声で叫ぶから、ワゴン車に嶺君の声が五月蝿いぐらい響く。
あ、嫺君が嫌そうな顔して起きちゃった。
嶺君とアタシを軽く睨んでる。……怖い。
……ていうか!!
「“おっちょこちょいでドジなだけ”なんて思ってません!!」
アタシも負けじと言い返すと、思ったより声が大きかったらしく、また、嫺君に軽く睨まれる。
「いやー、よく言われるから……」
バックミラー越しに多田さんは苦笑いする。
なんか、すいません……
「でも、ちゃんと仕事はしますから」
顔が引き締まり、眉毛がきりっとなった。
そんな多田さんを「よっ!デキるマネージャー!」なんて、嶺君がはやすから、多田さんの頬はりんごみたいに真っ赤になった。
照れ屋なんだね、多田さんって。
「あ、また多田ちゃんをバカにした」
「え?!」
後ろに座っている、奏ちゃんがクスクス笑う。
え、奏ちゃんって人の心読める人なの?!!
「声にでてた」
また、アタシの心を読み取って、また、クスクス笑った。
「全部声にでてるよ?」
「え、本当ですか……」
違いました。
アタシが全部言ってました。
ぽろぽろ言ってました。
「篠原さーん、そんなに僕をバカにしないで下さいね?」
ついには、多田さんまでに聞こえてしまった。
あぁぁぁぁ、やちゃったよー!!!


