『ピーンポーン』
嶺君が嫺君を追いかけ回している最中、チャイムが鳴った。
「あ、多田ちゃんかも」
奏ちゃんが、追いかけっこをする二人をスルーし、玄関へ向かう。
「お邪魔しまーす。みなさん、準備できてます……」
慌てて、頭を下げる。
多田さんのひきつった笑顔。
「お、おはようございますっ!」
「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ?!!!!!」
昨日のアタシ並の声が家中に響いた。
「多田ちゃん、これにはね、訳があんの!」
慌てて、嶺君が説明する。
貧血気味の多田さんを奏ちゃんが支える。
「脅かしちゃったよね……」
「すいません……」
そりゃ、見知らぬ女が人気アイドルの家に居たら、誰だって驚くはず。
なんだか、申し訳なくなってきた。


