「じゃ、準備しないとね」
よいしょ、と奏ちゃんが立ち上がる。
「だな」
「準備、準備~」
続いて、嫺君、嶺君も立ち上がった。
あ、あたしも準備しなきゃ。
「多田ちゃんいつ来るんだっけ?」
「十時だよ。覚えとけ」
奏ちゃんに軽いチョップを食らう嶺君。
アハハ、頭押さえてる。
面白い。
「あ、あの、あたし服は……」
「あー、嶺、持ってきてー」
「なんで俺……」
え、もしかして彼女いるとか……?
ヤバい。
ついに、本当に知ってはいけないこと聞いちゃった……!
忘れなきゃー、忘れなきゃー。
忘れろー、忘れろー。
「あ、違うよ?彼女じゃないよ?」
アハハと笑う。
「え?」
「えっとね……」
奏ちゃんが何か言おうとしたとき──
「奏太!言うな!言わなくていい!言ったら終わる!」
すごい形相で嶺君が飛んできた。
その速さ秒速100メートル(想像)。
とにかく、すごいスピードだった。
よっぽど、聞かれたくないんだろう。
「番組の企画で嶺が女装して、汚しちゃって買い取ったときの服。使ったことなんだけど」
「あ"ー!!!礼智ー!!!!言うなっつっただろーが!!」
嶺君、もう半泣き状態。
でも、嶺君の女装……
……ムフッ♪
絶対可愛い。
断言できる。
見てみたかったな~


