《朝焼けに染められたキミの頬~♪どこか哀しげで~♪時が止まったような気がした~♪》
カーテンの間から漏れる光。
フワフワな毛布、フッカフカなベット。
「んんー」
そして、目覚ましの音楽、wish……
「wishっ!?」
自分の周りを見渡す。
そこは、ホテルのスイートルームみたいな──
実際、ホテルのスイートルームに泊まったことないけど……
お姫様と王子様が住んでそうな──
お城の中だった。
えーっと……
昨日家出して……
雨が降ってきて……
優しい男の子に拾われて……
お城に着いて……
そこが“wish”の家で……
色々あって……
泊まることに……
ということは、現在、wishの家……
「え?!wish?!」
「そーだよー。ちゃんと、起きれた?」
ドアの縁にもたれかかって、手を降る奏ちゃん。
あれ、なんか今少し馬鹿にされた気がしたのは気のせいですか。
「……どうしたんですか?」
「や、朝ご飯できたよーっていうお知らせ」
朝から爽やかに笑う。
う、眩しいっ……!
「あ……ありがとうございます」
「じゃ、先行ってるね?」
「あ、はい」
そういやぁ、今日学校なんだった……