家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


「おーい」


アタシの顔の前で嶺君が手を上下に振る。


「あ!や、ひゃいっ!」


ぼ────、としていた(正しくは、これからのことを考えていたんだけど……)。

アタシは、びっくりして、はい。という簡単な言葉を噛んだ。

あ"ぁ"~~~~、やっちゃったよ……アタシ。

その様子に嫺君も奏ちゃんも苦笑している。

嶺君に至っては、爆笑だ。

もう……、顔から火が出そう、穴があったら入りたい。


「あ、そうだ」


爆笑していた嶺君が、突然手をポン、と叩いた。

なんか、思いついた様子。

この考えに期待?してもいいのだろうか……、ここにいる全員がそう思ったことだろう。

アタシは、いい考えの方に賭けることにした。


「どした?」


嫺君が怪しそうに言った。

嫺君は、よくない考えの方に賭けたのだろう。


「あのさ……」


緊張がはしる。

奏ちゃんは嶺君の言うことが想像出来たのか、笑顔をひきつらせ、冷や汗を流した。

全員がゴクン、と息をのんだ。




「俺んち泊まる?」