「おーい」
アタシの顔の前で嶺君が手を上下に振る。
「あ!や、ひゃいっ!」
ぼ────、としていた(正しくは、これからのことを考えていたんだけど……)。
アタシは、びっくりして、はい。という簡単な言葉を噛んだ。
あ"ぁ"~~~~、やっちゃったよ……アタシ。
その様子に嫺君も奏ちゃんも苦笑している。
嶺君に至っては、爆笑だ。
もう……、顔から火が出そう、穴があったら入りたい。
「あ、そうだ」
爆笑していた嶺君が、突然手をポン、と叩いた。
なんか、思いついた様子。
この考えに期待?してもいいのだろうか……、ここにいる全員がそう思ったことだろう。
アタシは、いい考えの方に賭けることにした。
「どした?」
嫺君が怪しそうに言った。
嫺君は、よくない考えの方に賭けたのだろう。
「あのさ……」
緊張がはしる。
奏ちゃんは嶺君の言うことが想像出来たのか、笑顔をひきつらせ、冷や汗を流した。
全員がゴクン、と息をのんだ。
「俺んち泊まる?」


