「え?」
ポツ……ポツ……ポツ……ポツ
ポツポツポツポツポツポツ────
「雨だ……こんな時に限ってー?!」
アタシの声は、静かな雨音に消される。
アタシは、傘の代わりに持ってきた薄いパーカーを羽織った。
雨はだんだんとひどくなり、羽織っていたパーカーの色が濃くなるほど、強く降ってくる。
雨が当たらなそうな木の下のベンチに走って移動した。
ここなら、少しは雨を凌げるでしょ。
空の上の方ではゴロゴロと雷らしき音が聞こえてきた。
「どんだけ運が悪いのよ、アタシは」
木は雷が落ちやすくて、下にいると危険。
随分前に習ったこと。
何で木は電気通しやすいんだよ、馬鹿。
今まで生きてきた中で、これ程気を呪ったのは初めて。
急いで木の外に出る。
こういう時って、どうすればいいんだっけ。
もう、家帰るしかないかなぁ……。
でも、家帰りたくないしなぁ……。