家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


「……大丈夫?凄い怒鳴ってたけど」 


眉毛を八の字に曲げた奏ちゃんが、アタシの顔を覗き込む。

あ、ヤバい。

人の家ってことをすっかり忘れてた。


「あ、すいません!ついカッとなっちゃって……」


慌てて、頭を下げた。

だから……

目の前の机に、


ゴンッ!!


おでこを勢いよくぶつけ、額が真っ赤になって、プラス、尋常じゃないくらいの痛みが襲
ってきた。


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「……で、家追い出されちゃいました」


さっき、頭を思いっ切りぶつけて、
あかーくなったところは、奏ちゃんにもらった保冷剤を当てている。

そして、今までのことを話した。


「なんで、家追い出されるって分かってたの?!」


ずっと黙って聞いていた嶺君が、ソファーにふんぞり返って、「フンーッ」っと効果音がつくぐらいの鼻息を出した。

どこの馬の骨かも分からないアタシを心配してくれるなんて……

こんな優しい人、多分、嶺君以外会わないだろうね。

まぁ、そんなに深い理由ではないんだけど……


「それはですね……」


そしてアタシは、ゆっくりと話し始めた。

お父さんとお母さんの離婚、お母さんがホストにハマったこと、全部全部。