家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


《yeiyei~♪
ほら 君の向日葵のような笑顔を見せてよ~♪
デッカい声上げて笑おうよ~♪》


着信音が聞こえた。

相手を確認してみる。

といっても、このタイミングだと電話の相手は、一人しか考えれられないけど……

お母さんからだ……

なんとなく、でなきゃいけない気がした。


「もしもし……」


《あ、美夜ちゃん?》


電話から、今は聞きたくない声が流れる。


「そう、だけど?」


《今どこにいるの?帰ってきたら誰も居ないからビックリしちゃった》


「あ、もうそろそろ帰る。心配かけてごめん」


誠意を込めて謝った。

次のお母さんの発言が、

アタシの生活を変えるなんて、

お母さんから、

そんなこと言われるなんて、




《しばらく帰ってこないでね》




────思ってもいなかった。