家出少女の拾われ先はテレビの中の人達でした。


「smile……ですけど……」


恐る恐る回答。

その瞬間、優しい男の子の顔がパァッと明るくなった。


「じゃ、そのホーム画面は?」


小さい子みたいに目を輝かせながら、ぐいぐいきた。

……この人、いったい何歳だ?

ていうか、距離近い!顔近い!

友達が勝手に変えたホーム画面をキラキラした瞳で見つめる優しいイケメン男子と、少し距離を置いて、


「wish、ですけど……」


と、また、恐る恐るの回答。


「じゃ!俺ん家来て!!」


優しい男の子は、驚くほどのスピードで立ち上がり、アタシの手を引いて走り出した。

優しいイケメン男子は、陸上部かってぐらい足が速くて、着いていくのに必死で、通った道なんて覚えてない。

これで、完全に家に帰れなくなった。

これからどうする、アタシ。


そして──あっという間に到着。