「おいてめぇ、黙って聞いてりゃ随分生意気な口をききやがるな。死にてぇのか?」
こめかみに血管を浮かび上がらせた、あたしのお株を奪うとっても素敵な悪魔スマイルをキメたのは、3人のリーダー格っぽいモヒカン君。
おーおー。怖い怖い。
まぁ、怖さレベルはクモ以下だけど(笑)
「んー。まだ死にたくはねぇよ? けど、大事な女守るためなら、何だってやってやるさ」
ニッとわずかに口角を上げるアッくん先輩。
ひゃー。やばい超カッコイイ。
まったく……この人はどんだけあたしをキュンキュンさせれば気が済むんでしょうか。
そんなことを考えて頬をほんのりピンクに染めるあたしの頭上から、何やらむさ苦しい熱気のようなものが漂ってきた。
何事? という目でそっちを見やると──
「か、かっけぇ……」
「男の中の男!」
などと、目をハートにさせた強面台無しの3人衆が、あたしに負けず劣らずのピンクフェイスで先輩に熱っぽい視線を送っていた。
んんん? 何このカオス。
心なしかちょっと寒気してきたよ。

