「オイオイお前ら。今の聞いたか?」
「ああ。怪我人は出したくねぇってよ」
「バカじゃん。あんなヒョロい体で俺らの相手になるかっての」
微妙に失礼なことを言いつつ、ケラケラと嘲るような高笑いを発する命知らずがここに3名。
てっきり、ここで気迫負けしてスタコラサッサと逃げ出して、経験値もお金もくれないイライラモンスターと化すだろうって思ってたのに。
うーむ。まだまだ詰めが甘いなナカザワよ。
とかなんとか考えていると、アッくん先輩がそのキレーなお顔から笑みを消して、一瞬にして泣く子も黙る真顔になった。
「ブッ飛ばされたくなかったら、さっさと手ぇ離せ。俺の女に気安く触んな」
さっきよりもさらに低い、ドスの利いた声で威嚇する。
平然と吐き出されたイケメン台詞もさることながら、その凛々しすぎる眼差しに萌えゲージが急上昇(爆)。
こんな時でも、あたしの緊張感の無さは健在である。

