「せ、先輩。それはさすがに多すぎ……んっ!?」
あたしのツッコミを遮りながらの、深くて長い濃厚キス。
それを目の当たりにしたギャラリーたちの黄色い声にまぎれるように、パシャパシャとスマホカメラのシャッター音が響く。
中には「すごーい、公害カップル発見なう!」などのツイートまがいな発言もあり、嫌ぁ~な予感にトキメキも忘れて冷や汗ぶわぁ。
とうとうこの公開処刑がネット上でもオープンに…? と、絶賛ガクガクブルブル中。
もはや恐怖のあまり言葉も出ないよ。ハハ。
などと、嵐のようなキスの合間に乾いた笑いをこぼしていると──
「しょーがない。今日はこの辺にしといてやるか」
という、この状況の元凶サマの苦笑いが飛んできて。
「その代わり、次はこんなもんじゃ済まさないから……覚悟しとけよ?」
そんな甘い台詞ひとつで、簡単に女勇者をK.O.できるこの男は、悔しいけど最強だ。
「か、覚悟……しておきます」
「よしよし。お利口さん」
波乱の成り行きWデートを幸せオーラで包んでくれた、どこまでも紳士なあたしだけのボスヤン彼氏。
これからもこんな風に、ゆるゆるドタバタほんのり甘い、平和な時間を過ごすことが出来ますように。
そんな願いを込めて、キラリ光る流れ星を2人一緒に見つめたのでありましたとさ。
【成り行きWデート。】
*END*

