周囲からの「何だアイツら」的な痛々しい視線をひしひしと感じつつ、半ば強制的に唇を重ねること数十秒。
ようやく2人の距離が開いたかと思えば、目の前にはどこか物憂げな表情を貼りつけた非の打ち所のないイケメンフェイス。
わっほぃ。
そんな真剣な眼差しで見つめないでおくれよ。
ハートずっきゅんすぎて、どうリアクションすればいいか分からないじゃないか。
「今日一日、ずっと我慢してた。おかげでりん不足が重症なんだけど、どうしてくれんの?」
ムスッとした物言いだけど、いたずらっぽく上がった口角が彼の言動を確信犯だと物語る。
くそう。この小悪魔アッくんめ。
あんまり人をドキドキさせんな。
「ど、どうしてくれんのって……責任をとるべきはWデートに誘った新カノさんで、あたしは全然関係ないし……」
という至極もっともな反論も、オトナな彼にとっては取るに足りないものだったらしく。
「言い逃れ禁止。罰として、今の言い訳の文字数分キスすっから」
「へぇっ!?」
も、文字数分って……一体何回する気なんですかこの人は!

