「そうだね」と真っ向から肯定することも出来ず、真っ赤な顔をうつむかせて黙っていると。
「なんだよ。りんは、俺と2人になれて嬉しくねーの?」
いつも余裕綽々なアッくん先輩が、珍しく拗ねたような声で文句を言ってくる。
う…。か、 可愛い。
心臓がキュンキュンと音をたて、無性に頭を撫でてあげたくなった。
……って、そんなん気恥ずかしすぎて無理ですけど(爆)
「嬉しくないわけないじゃん。元々、今日は2人で遊ぶ予定だったんだから」
放置するのも可哀想だし、本気でいじけられても困るので、とりあえず当たり障りない回答を返しておく。
すると、先輩はほんの少し体を離して、じっとあたしの顔を覗き込んできた。
「な……何でしょう?」
またしてもたどたどしい敬語を発しつつ、懐かしの羞恥にらめっこに耐えきれずに視線を逸らすと──
「……もう無理。限界」
艶のある低い声が降ってきたと思うと、突如唇に柔らかい感触がこんにちは。
次第に深くなっていくキスに、戸惑いつつもギュッと目を閉じる。
その寸前に視界の端に飛び込んだのは、「ねぇママ、あの人たちチューしてるっ」と目をキラキラさせる少女と、「見ちゃいけません!」とか言いながら自分はしっかりガン見しちゃってるムッツリ美人の珍妙親子。
……公開処刑なう。

